切り花。
庭先に咲いていた大ぶりの濃いピンクの薔薇。
冬の雪の重みか、風のせいか、根元から少し曲がってしまっている。
もう少しで地面についてしまいそうだったのか、
Opaは、「この薔薇を切って持って行って」
そう言った。
大きな花弁はその重みで花の下からまるでお辞儀をするように垂れていた。
その花を5本、蕾のままのものを1本剪って、
手ごろとは言えない大きさだが、家にあった花瓶に生けていく。
口の大きな花瓶であるため、
薔薇はやはりその頭を、花瓶の淵に沿って垂れている。
生け花というものにあまりなじみのないためか、
どの程度葉を落としたらいいのか、少し戸惑いながらも生けていく。
出来上がった花瓶は、
不恰好で、綺麗な束にはなってくれなかったが、
テラスの黒いテーブルにその濃いピンクがよく映えて、
格好など気にならないほど、
美しく見える。