春という季節の意味。
暦の上では4月を5日過ぎて、
テレビでも新学期、新生活、桜の開花、
そんな話題しかやっていない。
天気の話で言えば、新潟はまだ春とは言えないかもしれない。
暖かくはないし、空も(多分)まだ春らしいとは言えない。
ただ、
さっきも言ったように、この時期をすべての人が喜んでいるかのように思えてしまう。
外の世界の出来事。
今の私にはそう映っているけれど、
本当にみんながみんな、春を待ち焦がれているのだろうか。
私にとっての春という季節の意味はなんなのか。
記憶を辿る限りでは、
まだ学生という意識の中で生きていたから、
新学期や入学で新しいことが始まる。そんなこそばゆい時期だったと思う。
桜の咲く風景も、すごく、純粋な気持ちで見れていた気がする。
もう少し最近のことを考えて、思い出す。
3年前。
春は私にとって地獄のような時期だった。
あの時の私も、その前の秋から冬にかけて、息を殺して、誰にも会わないように、
暗闇の中で生きていた。
ただ、寒い時は寂しい思いもあったけれど、それは逆に、どこか自分が閉じこもることを許されているような気がした。
それが、時間が経ち、季節が春に変わろうとしている時、
部屋の中で感じた、暖かさ。
そこにいる事を責められているかのように。
私が生きていることさえ、責め立てられているかのように。
春の暖かさは、辛くて、ジリジリと私を苦しめた。
今、
またあの時の気持ちが蘇ってきているように感じる。
これからどんどん春らしくなってきて、
一人何者でもない私、どこにも居られない私を、
ゆっくりと、でも確実に、苦しめていく。