走る。走る。
“「長い距離を走ってると」と彼女はつづけた。「人生で大切なのは、最後まで走りきることだけって気がしてくる。そのときだけは、私の頭もずっとこんがらがったりとかしない。何もかも静まりかえって、あるのは純粋な流れだけになる。私と動作とその動きだけ。それが私が愛するもの。ーただの野蛮人になって、森を走ることがね。」”
(Born to Run: ジェン)
私の人生は、頭は、ずっとこんがらがっていた。
前も見えず、立ち止まっで、うずくまって、
どこにもいないはずの何かに怯えて、
生きていることを苦痛に感じながら、
ただ時が過ぎることを怖がって。
でもそんな私が、
何かに引かれるかのようにこの場所に来て、
よりシンプルで、
それでいて普遍的な真理に辿り着いた気がする。
だた「長い距離を走る」
それが私が辿り着いた結論。
走ることは私に多くを教えてくれた。
ペースを守ること。
進み続ければ必ずゴールは見えてくること。
ゴールの手前で力を抜かないこと。
走りきった後もしっかりケアすること。
そしてまた走ること。
走り続ければ必ず次は楽になる。
次が楽になったらまた走り出せる。
この繰り返し。
ただ純粋に、
私と、足の動きと、そこにある空気だけ。
他の誰にも、何にも迷惑もかけない。邪魔もされない。
ああ、
走ることはなんて素晴らしいのか。
なんで今まで気づかなかったのか。